日進月歩

文章を書く練習

キャガプシー 雑感

葛西臨海公園を奥に奥に進んでいくと、ふと現れるテント
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 中に入ると劇団おぼんろ『キャガプシー』の物語の世界がありました。

 

http://www.obonro-web.com/15

 

語り手の高橋さんに席を提案していただいた(自由席)のでそのまま着席、というか着座。なんと座布団。開演前は演者さんたちがお客さんに声を掛けたり写真撮影に応じたりしていて新感覚だった。あと飲食可だったからポップコーン売ってて、食べてる方に「ほんとに買ってる!」「歯に挟まるから気をつけろよ!!!俺は騙されないからな!!!」などと絡んでいらっしゃって自由だった。開演前の末原さんの「暑いとか寒いとかありますか?…あってもなにもできないので!自分のことは自分でやっていただいて!」気遣いと突き放し、飴と鞭。※一応膝掛けはいくらか準備あるみたいでした。

公演前にちょっとした導入があったんだけど、もうその導入から新感覚でがっつり掴まれてしまってそこから最後まで駆け抜けていった。

 

公演についてはネタバレしない程度に…

 末原さん演じるトラワレの、喜怒哀楽でいう『哀』の感情がめちゃくちゃ刺さった。哀しみを哀しみとわからないキャガプシーの、しかし確かに哀しみであるその感情が、ウナサレと出逢ってぐちゃぐちゃにかき乱されて変化していく様子が圧倒的だった。そしてスタイルがめちゃめちゃ良い。目の前に倒れてるとき呼吸してて(それはそう)、頭ちかちかした。高橋さんのウナサレも純真無垢そうで、でもわかっていることもある絶妙な部分が成り立っていてもどかしかった。少しずつ人形が完成していく様子もわたしはひとつしか気付かなかったけどあって、たぶん他にもあったのかな。わかばやしさんのツミは歌がとてもよかった、1回はまさに目の前で見ることができてますます心に刺さった。あとネズミの正体を知ってしまったときに一旦抑え込むところが痺れた、あそこ一旦持ち直すんだ…と。さひがしさんのネズミは、ネズミ!!!!まじで!!!!ここが!!!!1番!!!!衝撃でした!!!!!ネタバレなってしまうから言えないけど、はーーーーーずるい………絶対に好きになれないと思ってたのに最後後頭部がつんとやられたような衝撃に涙止まらなくなってしまってもうずっと明転しないでほしかった。昨日の開演前のわたしへ、ハンカチは出しておけ。

 

セットもすごかった。まず駅から会場まで導いてくれる道々のキャガプシー。そして原っぱの中にそびえ立つ大きなテント。10日ほどで公演が終わると撤去されてしまうということも相まって、まるで魔法みたい。中に入ると10〜20脚ほどのパイプ椅子とたくさんの座布団。テントの壁には傘がつるしてあったりジュロコロがいたり。なんと道々のキャガプシーやテントの布はお客さんから募集したものらしい。優しい世界。中央の大きな布は公演の中で形を変えていくけど、主張しすぎずいつも自然にある。客席の前後左右も舞台なので、座る席によって見える景色ががらりと変わりそうで、末原さんも「どこが良い席なのか、私たちにもわかりません」と仰った意味がわかりました。ぶっちゃけ「次見るならあの辺で見たい」というのはあったのだけど、たぶんそこで見たら「次はあっちだな………」というのが生まれる。無限。拝見したのは夜公演だったので暗くなるにつれて灯る明かりが幻想的だったのだけど、暗転し得ない昼公演も魅力的で気になる。

 

あと物販で電子マネーもクレカも使えますよ。天才的で財布の紐が消えますね。

 

いま、昨日までの自分とまだキャガプシーに出逢ってない人全員が羨ましい。それくらい素敵な出逢いだった。

とりあえず1度、行ってみてほしい。来週末までの魔法です。